第26回 誰でも、いつからでも携われる防災教育

フリーアナウンサー・オンライン防災代表
黒田 典子

「こんにちは!フリーアナウンサーで防災士の黒田典子です。」と、自己紹介の時にはこのように話し出しています。東日本大震災が起きた2011年3月11日も同じ肩書でした。しかし、この日の前と後で、思いや伝えたい事が違うものになりました。また、コロナ禍を過ぎ、防災を伝えにくい中、オンラインを使って継続した今もまた少し変わりました。

まったく変わらないひとつは、「自分のいのちは自分でまもる」ことを伝える。変わったのは、データ的に、客観的に伝えるということよりも、内面的な部分に届く、感覚、思い、そして誰でもわかる言葉で、怖がらせずに伝えることを大切にすることです。

防災教育については、改めて何かしようと思ったわけではありませんでした。ただ、なくさなくてもよかった小さないのちが沢山あったから、子どもたちに絵本を通して気づきを持ってほしいと思ったのです。

減災絵本リオン(読み聞かせ)

そして、この度、子どもたちが自分で色を塗るだけで、自分で自分のいのちを守る気づきを得られるようなNURIE(ぼうさいNURIE)を作りました。これも気づきを引きだすためにNURIE大使にお手伝いいただこうかと思っているところです。

(募集中)

ここでお伝えしたかったのは、防災教育を改まって考えず、広くとらえ、自分なりの形で何でも挑戦していただきたいということです。防災を伝えたい、と思う方は謙虚な方が多いので、沢山学んでからじゃないとアウトプットするには早い、と思われる方がいます。

体現されていない方はぜひ何か書き出して、思いやプランを形にしてほしいと思います。特にこちらには相談したり、アドバイスいただける素晴らしい方々がいらっしゃいますね。災害に遭っても、復興からの防災を伝えようとしている今も、Keyは人だと思います。

今回、寄稿のお話をいただいたのも、そして防災教育という分野がもっと広がっていくであろうことに気づかせてもらえたことにも感謝して、コラムを終えさせていただきます。オンラインやリアルにお会いできた時には、あなたの思いをぜひ聞かせてください。

【黒田典子 ・プロ フィ ール】

宮城県仙台市在住。フリーアナウンサー。日本防災士会・防災士会みやぎ会員。オンライン防災代表 、 3.11 メモリアルネットワーク広域伝承連携部門 運営委員。 東日本大震災時は、 1 歳半の子どもと一緒におり、防災士としての感覚でいのちを守る。 2013 年に減災絵本「リオン」を防災士仲間と製作し 、読み聞かせ活動もスタート。全国に頒布された。 2023 年 3 月、いのちを守る NURIE 誕生、イベントや児童館で人気を得ている。絵本のモデルとなった長男も11歳の時に防災士となった。