第19回 「地域防災力を養う防災教育の必要性」

愛知県西尾市議会議員
山本 道代

令和3(2021)年6月市議会議員となり、「より地域や西尾市に貢献できることはないか」との思いから、今年1月から消防団の機能別消防団・女性分団に入団し、応急手当の指導や消防団のPR活動をしています。

私の住む愛知県西尾市は、西に矢作川が流れ、東は三ヶ根山などの山々が連なり、南は三河湾を望む、豊かな自然と温暖な気候に恵まれた地域です。しかし長い海岸線と軟弱な地盤を抱えていることなどから、愛知県内で、南海トラフ地震の被害が最も深刻と予測されている市でもあります。特に津波の被害が危惧されており、西尾市では「津波避難計画」を作成し、津波の際は浸水想定区域外へ避難することを市民に呼びかけしています。

そのような中、平成30年度より愛知県教育委員会から、県内唯一の「学校安全総合支援事業」の委託を受け、学校安全に向けた取り組みが進められてます。

事業の内容としては、毎年甚大な被害が想定されている地区を一つ「モデル地域」として選定し、災害発生時に小・中学生が地域の防災リーダーとして積極的に活動できるよう、有識者による講演会や災害クッキング講座などを通じ「自助」「共助」の重要性等を学び、救出救護技術講座など体験学習をしています。

また学校関係者、地域団体、行政で組織された実践委員会を年3回ほど開催し、防災における学校の課題、効果的な活動方法などを意見交換しています。この実践委員会には、防災担当教員も参加し、教員の防災意識と資質能力の向上にも取り組んでいます。特徴的なこととして、教職員一人を危機管理課に配属し、モデル地域の学校で防災担当として講師をし、行政と学校の橋渡し役を担っています。

コロナ禍で訓練や行事が中止となり地域の繋がりが希薄になっている今だからこそ、この事業や自主防災を通じて町内会、消防団、学校、行政の連携を深め、地域防災力を高めていく必要性があります。今後、議員として女性分団員として、地域防災に対する意識を底上げしていきたいと思います。

【山本道代・プロフィール】

愛知県西尾市生まれ。愛知学泉大学経営学部卒業。西尾市議会議員。機能別消防団・女性分団所属。ヨーガ療法士取得。マナーワ・ヨーガ研究所 代表。政経倶楽部 名古屋支部幹事長。先人が繋いできた想いを大切にし、人とのつながりを大事に、市民に寄り添う、世代を超えて市民と行政をつなぐ政治を信条とし、現在活動中。