第9回  「それでも ここは安全やなあ」・・・!?

赤穂防災士の会会長
金井 貴子

本稿のタイトルである『「それでも ここは安全やなあ」・・・!?』は、私が防災士として地元の自治会で防災講話の依頼を受け、ハザードマップの説明から始まり、南海トラフ地震でのここの被害想定、事前の備え、初動、避難について汗をかきながら話しを終えた後の参加者からの第一声です。本当にガックリきました。

私が防災士になろうと思ったきっかけは、間違いなく阪神・淡路大震災と言いたいところですが、兵庫県赤穂市は震度4、神戸と違い被害も無く他人事のように生活をしていました。知人の実家が長田でしたので物資を送ったりしましたが、何も出来なかった自分がいました。防災のボの字も知らず知識も無かった私は、当時(阪神・淡路大震)のことを思い出しながら防災講話で自虐ネタとして話すのですが、地震が起きた時、子ども部屋に走って行って言った言葉が「本棚押さえて!!」でした。倒れてきて危ない本棚から離れるのが命を守る事なのに、本当に無知は恐ろしいですね。

ただただ何も出来なかった自分がいて、胸に引っかかったまま年月が過ぎた頃、東日本大震災が起きました。それが私の背中を押し、防災士になろうと決心。やっと防災が自分事になった瞬間です。

ひょうご防災リーダー養成講座を受講しましたが、蓋を開けると参加者は8割方行政職員、女性は1割もいなかったことが印象に残っています。

防災士になったものの個人での防災・減災活動には限度があり、なかなか前に進みませんでした。2016年4月23日、地域に密着した地域防災力の向上に貢献することを目指し赤穂防災士の会を設立。会長となり現在に至っています。嬉しいことに女性会員も半数を占め、副会長も女性を登用して活動しています。

ただ日々の活動の中、伝える側の熱量と受け止める側の防災・減災に対しての熱量に大きな差がある事が悩みの種です。危機意識を持って貰う、防災を日常生活の中に、幼児からの親子防災、若者の参画などなど課題は山積ですが防災士として前進あるのみです。

【金井貴子・プロフィール】

赤穂防災士の会会長や、ひょうご防災リーダー、ひょうご防災特別推進員、防災士、応急手当普及員 防災介助士、危険物取扱者、ペットセーバー、防災備蓄収納2級プランナー等々、防災活動に必要と思う資格にチャレンジしてきました!その他としては保護司、三人の孫とのばあば活動も絶賛活動中です。兵庫県神戸で開催の防災国体に岐阜・和歌山の防災仲間と屋外出展しますので是非、のぞきに来てください。